ご挨拶

取締役支配人
釧路支社長 工藤義昭

私は、これまで世界中の化学者の誰もが成しえなかった低価格・高純度プロテオグリカンの量産化方法を発明し、国内外の特許を取得しました。
この特許をもとに2006年5月、バイオマテックジャパン株式会社(BMJ)というベンチャー企業を設立し、北海道釧路市においてプロテオグリカン及び非変性Ⅱ型コラーゲンの専用工場を建設しました。
プロテオグリカンの専用工場としては世界初です。
しかし、非変性Ⅱ型コラーゲンを生産している会社は、すでに米国に1社存在していましたので、世界では2番目でしたが、日本国内では第1号です。

サケ鼻軟骨を原料とした高純度の非変性Ⅱ型コラーゲンとしては世界初の商品です。
これらの実績が日本政府に高く評価され、2012年2月に日本ものづくり大賞「内閣総理大臣賞」という最高位の表彰を受けることができました。
同年10月には公益社団法人発明協会の発明表彰において「中小企業庁長官奨励賞」を受賞しました。さらに同月東京で開催された「IMF・世界銀行年次総会」において、BMJのプロテオグリカンが、日本の文化・技術を代表するもののひとつとして、総会会場内の「政府展示コーナー」において紹介されました。
各国マスコミがこぞって放映してくれましたので、大きな反響を頂きました。また香港の国際展示会に招待を受け出品したことにより、BMJは非常にユニークな素材メーカーとして、広く海外においてもその存在が知られるようになりました。

プロテオグリカンは、1960年代、70年代には世界中で盛んに研究されており、多くの研究成果が発表されております。
しかし、当時は量産技術が開発されておらず、ラボレベルの少量生産技術があっただけでした。
しかもその技術は、抽出過程において人体に有害・有毒な試薬をたくさん使用しておりましたので、実験用動物には使用できても人間には投与することができず、実用化は不可能な成分と考えられておりました。
このため研究は徐々に衰退してゆきました。

プロテオグリカン本来の機能解明及び有用性に関しては多くの研究成果が残されましたが、唯一、人体に安全・安価でしかも高純度の抽出技術の開発のみが取り残された格好で、その後およそ50年間成功することはありませんでした。
私が一会社員の身分で弘前大学と共同研究した酢酸抽出法も、他大学の教授から変性していることを指摘され、実用化できませんでした。
勤務していた会社もプロテオグリカン事業から撤退したため、私も責任を感じ退職しました。
退職後一個人として別な抽出法を模索し続けておりました。
研究中偶然にもアルカリ性溶媒を用いることにより、非変性のプロテオグリカン及びⅡ型コラーゲンを同時に抽出できることを発見し、特許が成立したことにより世界中の化学者を驚かせることになりました。
50年もの歳月を経て、今再びプロテオグリカンが脚光を浴びることとなり、開発者として無常の喜びを感じております。

プロテオグリカンも非変性Ⅱ型コラーゲンも北海道産のサケ鼻軟骨を原料としておりますが、近年サケの漁獲量が極端に減少してきております。
現在原料確保が最大の経営課題となっております。
私は10年も前からこのことを心配し、原料確保ができない場合の代替方法を考えて参りました。
研究の結果、2020年3月に、プロテオグリカンをアルカリ抽出法によるのではなく、培養による生産方法を世界で初めて完成させ、特許出願しました。
全自動の培養プラントの建設には多大の費用を要するため、親会社である株式会社ヘルスマネイジメントにお願いし2020年11月13日に合併しました。
今まで以上の高品質なプロテオグリカンと非変性Ⅱ型コラーゲンをより低コストで安定的に製造し、全世界に供給することにより社会へ一層の貢献をしたいと考えております。
皆様の温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。